蛍が照らす美しさ――『源氏物語』に学ぶ、蚊帳のある夜の風景

蚊帳の使い方

静かな初夏の夜。
外からの光を遮る蚊帳の中に、小さな光が舞いはじめると、そこにはまるで別世界が広がります。

そんな幻想的な光景を、私たちは千年前の文学の中にも見つけることができます。そう、紫式部による不朽の名作『源氏物語』です。

『源氏物語』「蛍」巻の名場面

数ある巻の中でも、蛍のシーンが描かれる「蛍」は特に印象的です。
光源氏が、義理の娘である美しい玉鬘の姿をハプニング的に弟・蛍兵部卿宮に見せたいという思いから、几帳のそばに蛍を放ちます。

「御几帳の帷子を一重うちかけたまふにあはせて、さと光るもの。
紙燭をさし出でたるかとあきれたり。

蛍を薄きかたに、この夕つ方いと多く包みおきて、光をつつみ隠したまへりけるを、さりげなく、とかくひきつくろふやうにて。にはかにかく掲焉に光れるに、あさましくて、扇をさし隠したまへるかたはら目、いとをかしげなり。」
『源氏物語』「蛍」巻より

訳すと──
 (光源氏が)御几帳の帷子を一枚お上げになるのに併せて、ぱっと光るものが。
紙燭を差し出したのかと驚いた。

(光源氏は)蛍を薄い物に、この夕方たいそうたくさん包んでおいて、光を隠していらっしゃったのを、何気なく、何かと(玉鬘の)身辺のお世話をするようにして(玉鬘のいる室内に蛍を放った)。急にこのように明るく光ったので、(玉鬘は)驚きあきれて、(玉鬘の)扇をかざした横顔は、とても美しい様子である。。

光源氏のいたずらにより玉鬘の姿を見た蛍兵部卿宮は、彼女に恋い焦がれてしまいます。

この場面には、人工の灯りではなく、自然の光が織りなす美しさが丁寧に描かれています。まさに平安の美意識の真骨頂です。

イメージ画を生成AIで作ってみました!

御簾と几帳と御帳台が混じった不思議な室内だけど

雰囲気は出てますね(*’ω’*)

昔あった、初夏の遊び「蚊帳の中で蛍を放つ」

昭和40年~50代頃まで、蚊帳はどこの家にも当たり前のように吊られていました。
そして子どもたちは、ときにはその蚊帳の中に蛍を放ち、ほのかに光る命を眺めて遊びました。
布一枚で仕切られた静かな空間に、蛍の光が舞う――まるで星空を閉じ込めたような、幻想的な世界です。

この画像も生成AIで作ってみました!

蚊帳の吊り方がちょっと不思議だけど

とても楽しそうですね(*’ω’*)

現代にこそ取り入れたい、蚊帳のある暮らし

現代では蛍の数も減り、蚊帳のある家も少なくなりました。
でも今こそ、自然に寄り添う静かな暮らしの道具として、蚊帳が再評価されています。

蚊帳のある暮らしの魅力

蚊帳の良さはいろいろあります。

  • エアコンに頼らず、風通しを活かした涼しい夜

  • 蚊や虫を自然に防げて、肌にも環境にもやさしい

  • 内と外をやさしく区切ることで生まれる、集中・癒し・心の静けさ

  • 柔らかな布に包まれる安心感

  • 子どもにとっては、秘密基地のようなワクワクする空間

そしてなにより、蚊帳の中は「光」が特別に映える空間なのです。

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蚊帳の中に、小さな光を灯して

本物の蛍が難しくても、小さなLEDランタンやキャンドルライトでも、あの頃の静かな美しさを再現することができます。
子どもと一緒に蚊帳の中で絵本を読んだり、風の音に耳をすませたり——
そんな時間が、日々の暮らしの中にひとときの「もののあはれ」をもたらしてくれるはずです。

蚊帳は、ただの虫除けではありません

蚊帳は日本人の美意識と、暮らしの知恵が詰まった、「小さな静けさの空間」です。

今年の夏、あなたの部屋にも、ひとつ蚊帳を吊ってみませんか?
やわらかな布とほのかな光に包まれる夜が、きっと忘れられない時間になります。

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