都市生活を送る私たちの目には見えない場所で、静かに繁殖を続ける蚊がいます。その名も「チカイエカ」。
チカイエカは地上で見かける一般的な蚊とは異なり、地下環境に適応して進化しました。そのため、都市部の地下構造物に巣食い、私たちに思わぬ被害をもたらします。
チカイエカの特徴や生態、被害のリスク、そして効果的な対策について詳しく解説します。
それはもしや……チカイエカ
冬なのに。
ヤブなんてない都会なのに。
それなのに蚊に刺されたら、それは「チカイエカ」かもしれません。
……かゆい(ポリポリ)
チカイエカとは?
チカイエカは、アカイエカと似た蚊で、地下環境に特化して生息しています。一般的な蚊と同じく吸血性で、主に人間や動物の血を吸いますが、住んでいるところなどが大きく異なります。
漢字で書くと ”地下家蚊”
地下に住んでいるとよくわかる名前ですね。
特徴
- 体長:5〜6mm程度
- 体色:灰褐色から赤褐色
- 生息地:地下水槽、排水溝、マンホール、地下鉄構内など
- 活動時期:一年中活動可能(冬も吸血)
- 吸血対象:人間、ネズミ、動物
体調は5~6mm程度で、夜「ぶ~ん」と気になる羽音を立てるアカイエカとほとんど同じです。
見分けはむずかしいよ
アカイエカやヒトスジシマカ(ヤブカ)は夏を中心に活動し、冬は姿を見ないのに対し、チカイエカは冬でも活動して血を吸いにきます。
ビルや地下鉄構内などの比較的暖かい環境で暮らしているから、冬でも活動できるのですね。
チカイエカの生態
チカイエカの生態についてもう少し詳しく見ていきましょう。
地下環境への適応
チカイエカは、その名の通り地下環境に特化して生活しています。
地下は暗く湿度が高いので、蚊にとって住みやすい理想的な環境です。
都市部では排水溝や地下水槽といった人工的な水場が多くあり、チカイエカの繁殖の場となります。
また都市部の商業施設やオフィス、マンションなどでも発生することがあります。
普段生活している中で見かけることは少ないですが、ビルの地下水槽や地下駐車場、マンションの雨水槽などは要注意です。
チカイエカは人間でなく、ドブネズミなど地下に住む動物からも吸血します。そのため、ネズミの多い都市部の地下環境で繁殖しやすいのですね。
季節を問わない活動
地上の蚊は冬になると活動を停止します。
たとえばアカイエカのオスは冬には死んでしまいますし、晩秋に羽化したメスの一部が洞穴や川の近くで休眠状態になって越冬するだけです。産卵のために血を吸いにはきません。
しかし、チカイエカは暖かい地下環境に住んでいるため、1年中活動を続けます。
気温20℃前後の条件であれば冬でも吸血・産卵して繁殖します。
また、冷房が効いたビルなどに生息するチカイエカは、気温が10度くらいでも吸血活動を行うことも……。
冬場に蚊に刺された場合、チカイエカである可能性が高いです。
冬でも蚊が飛んでるなんて・・・・・・
繁殖力の高さ
蚊のメスは産卵のときに吸血します。(オスは吸血しません)
しかしチカイエカは、最初の産卵は吸血なしでも可能です。
また、一度の吸血で数百個もの大量の卵を産むことができます。
この特性が、繁殖力の高さに拍車をかけています。
チカイエカがもたらす被害
チカイエカに刺されたり、チカイエカが増えたりするとどうなるのでしょうか。
チカイエカがもたらす害はいくつかあります。
吸血によるかゆみと不快感
チカイエカに刺されると刺された箇所が腫れたりかゆくなったりします。
チカイエカの吸血時に注入される唾液には、抗凝固剤やアレルゲンが含まれているためです。
特に、肌が敏感な人ではミミズ腫れのようになることも。
感染症の媒介
蚊はさまざまな病原体を媒介することが知られています。チカイエカも例外ではありません。
チカイエカは次のような感染症を広げる可能性があります。
- フィラリア症
- ウエストナイル熱
- 日本脳炎
ネズミとの共生
チカイエカは、地下に住むドブネズミなどからも血を吸うことがあり、それが病気を広げるリスクを高めています。
ネズミと蚊がお互いに関係していることで、被害が広がりやすくなっています。
チカイエカの発生を防ぐための対策
「蚊」の対策としては、大きく分けて2つあります。
1つは蚊が発生しないようにすること。
もう1つは蚊に近づかせず、蚊に刺されないようにすることです。
発生源を断つ
チカイエカの幼虫(ボウフラ)は水のある場所で成長します。そのため、水が溜まる場所を減らすことが最優先です。
- 排水溝や地下水槽の清掃:定期的に掃除を行い、幼虫が繁殖しないようにします。
- 水たまりの防止:地下構造物内の水漏れを修理し、湿度管理を徹底します。
まずは蚊が産まれないように!
侵入経路を遮断
蚊が発生しても近寄らせなければ刺されることはありません。
チカイエカが近くにこないように、通り道をふさいでしまいましょう。
- 防虫ネットの設置:マンホールや通気口に防虫ネットを取り付けます。
- 蚊帳の使用:寝室や居室に蚊帳を設置し、蚊のいない空間を作ります。
- 隙間の封鎖:建物の地下室や窓の隙間をしっかりと封じることで、蚊の侵入を防ぎます。
近寄らせない工夫だね
個人防護
屋内ならばネットや蚊帳で蚊の侵入を防げますが、屋外だと難しいですよね。
屋外では、蚊の嫌う薬剤を使ったり肌の露出を防ぐなどして身を守りましょう。
- 虫よけ剤の使用:屋外や地下環境に行く際は、虫よけスプレーを使用しましょう。
- 長袖・長ズボンの着用:肌の露出を避けることで、蚊に刺されるリスクを減らします。
夏は冷感素材の服にするといいよ
ピッタリした服より、ゆったりした服のほうが刺されにくいよ
地域全体での対策
チカイエカは、個人の努力だけでは駆除が難しい場合があります。地域住民や管理組合と協力して、地下環境の衛生管理を行うことが重要です。
大掛かりなビルの補修や水槽の修理、専門業者による駆除などが必要になることもあります。
地域ぐるみで蚊をやっつけよう
チカイエカに刺された場合の対処法
そうはいってもなかなか完全に蚊から身を守るのは難しいです。
蚊に刺されてしまったらどうすればいいのでしょうか。
かゆみや腫れを抑える
刺された箇所を冷やし、かゆみ止めクリームを塗りましょう。
かゆみがひどい場合は抗ヒスタミン剤を使うと効果的です。
異常があれば医師に相談
刺された後に発熱や倦怠感などの症状が現れた場合は、感染症の可能性があります。
すぐに医療機関を受診し、医師に相談しましょう。
まとめ:チカイエカを知って暮らしを守ろう
チカイエカは、都市の地下に特化して生息する蚊で、人間から血を吸ったり、病気を運ぶ可能性があります。
こうした被害を防ぐには、地下の設備をきちんと管理したり、蚊が入り込む隙間を塞いだり、虫よけ対策をしっかりすることが大切です。もし大量に発生してしまった場合は、専門の駆除業者に相談するのも安心です。
普段はあまり気にすることのない地下の環境ですが、そこに目を向けてチカイエカについて知ることで、安心して快適な生活を続けられます。ちょっとした工夫で、自分の暮らしを守っていきましょう!
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