「蚊帳」ってなんだろう?
と疑問に思ったことはありませんか。
昔はどこの家でも使われていた蚊帳ですが、今はめったにお目にかからなくなりました。
令和の時代になっても蚊帳を作り続ける「蚊帳通販.com」のタナカ株式会社が、蚊帳についてお話します。
蚊帳とは
蚊帳とは、蚊やその他の虫から身を守る寝具です。
ネット状の布でふとんやベッドの回りを覆います。
読み方は「かや」です。
昔は「かちょう」「ぶんちょう」と読むこともありました。
また、「蚊帳」ではなく「蚊屋」と書くこともありました。
蚊帳は床以外の5面を覆う直方体が伝統的なかたちですが、近年は傘のようなドーム型の蚊帳も増えました。
昭和のころは嫁入り道具のひとつだったのよ
蚊帳の歴史
蚊帳の起源は古代エジプトや中国に遡ります。
古代エジプトの女王クレオパトラも蚊帳を愛用していたといわれます。
クレオパトラは紀元前69年~紀元前30年の人なので、蚊帳は紀元前の時代から使われていたんですね。
18世紀にはスエズ運河の建設など、熱帯地方での活動に蚊帳が使用された記録があります。
日本には中国から蚊帳が伝来しました。
8世紀には蚊帳が使用されており、主に皇族や有力貴族の間で広まりました。
詳しく知りたい方はこちらをどうぞ
蚊帳のメリット
クーラーの普及とともに利用が減った蚊帳ですが、大きなメリットがあります。
病気の予防
蚊帳は蚊が媒介する病気を防ぐのにとても有効です。
今でもマラリア、デング熱、ジカ熱、日本脳炎など、多くの病気が蚊によって媒介され、世界中に蔓延しています。
蚊帳を使うことで蚊に刺されることが減り、病気のリスクが大幅に減少します。
特に熱帯地域や蚊が多い場所では、蚊帳の使用が健康を守るための基本的な対策となっています。
風通しのよさ
虫を防ぐだけなら部屋を閉め切ってしまえばいいのです。
しかし、閉め切ってしまうと暑いし空気もこもります。
蚊帳ならメッシュ状の通気性の良い布を使っているので、風や空気を通しながら虫除けなどができます。
屋外からの目隠しになる
蚊帳を使えば外からはカゲになって室内が見えにくいというメリットもあります。
一方、蚊帳の中からは外の日差しもやわらぐのでまぶしくありません。
環境への配慮
また、環境への配慮ができるのも蚊帳のメリットのひとつです。
蚊帳は化学薬品を使わずに蚊の対策ができます。
殺虫剤を使用しないため、人間やペットの健康被害を防ぎます。
化学物質や煙が苦手な人にはぴったり
蚊帳の種類と構造
蚊帳がいったい何でできているのか知っていますか?
蚊帳の素材や構造は以下のようになっています。
蚊帳の素材
蚊帳は通常、通気性の高い軽量なネット状の生地で作られています。
材質は麻が代表的で、麻100%でできた「本麻」は高級品です。
麻に綿とレーヨンを混ぜた「片麻」、麻にレーヨンを混ぜた「本麻」もあります。
安価な綿や高級な絹に加え、近年ではナイロンやポリエステルでできた蚊帳もあります。
蚊帳の種類と形状
伝統的な蚊帳(大蚊帳)は、床を除いた5面をメッシュ状の生地で覆う直方体の寝具です。
天井に近い角の4~8か所に環状の紐をつけ、吊り下げられるようにしてあります。
ほかにもいろいろな種類の蚊帳があるので代表的なものをご紹介します。
・大蚊帳…床を除いた5面をメッシュ状の生地で覆う直方体の蚊帳
・ムカデ蚊帳…床面を含めた6面を覆う直方体の蚊帳
・ワンタッチ蚊帳…ドーム型の傘状の蚊帳
・ベビー蚊帳…ワンタッチ蚊帳のうち、赤ちゃんサイズの小さな蚊帳
・天吊り…スタンド式の上部から円錐形の布を垂らす蚊帳
蚊帳の選び方
蚊帳がほしいと思っても、どの蚊帳を選べばいいか迷っている方もいるのではないでしょうか。
実際に蚊帳を選ぶときに気を付けるポイントをご紹介します。
用途(使い道)
まずは使い道を考えましょう。
ひと夏のあいだ部屋に蚊帳を吊っておきたいなら大蚊帳を選ぶのがおすすめです。
部屋を広く使うために、蚊帳を使わないときはこまめに片づけるならばワンタッチ式がいいでしょう。
また、屋外で使うための蚊帳や、赤ちゃんのお昼寝用、ご飯の保管用など用途に合わせた蚊帳もあります。
素材(洗濯するかどうか)
また素材も重要です。
もっとも気にするべきは「洗うかどうか」。
ポリエステルやナイロンの化学繊維でできた蚊帳は水洗いできます。
本麻、片麻などの天然繊維の蚊帳は洗えないので、ホコリを掃除機で吸い取って清潔にします。
また、天然繊維の蚊帳は涼しいです。
そして重いので、やや取り扱いが大変でもあります。
素材 | 洗濯 | 重量 | 温度・湿度感 | |
天然繊維 | 麻・綿など | 水洗いできない | 重め |
比較的涼しく感じる
|
化学繊維 | ナイロン/ポリエステル | 水洗いできる | 軽い |
天然繊維よりは暑い
|
このページでぴったりの蚊帳を探せるよ
蚊帳と日本文化
蚊帳は夏の風物詩として、和歌や短歌、俳句にも詠まれています。
有名なものをいくつかご紹介しましょう。
「蚊帳」の短歌
短歌は「五・七・五・七・七」の31音から成る韻律詩です。
和歌と似ていますが、江戸時代までの古典的なものが和歌、近代以降の現代的なものが短歌です。しかしほぼ同じものとして扱えばよいでしょう。
・あかつきの障子あくれば海風に蚊帳浮きゆらぐ友も覚め居り(古泉千樫)
・水色の蚊帳の縫目をうち見つつさびしと聞ける朝の雨かな(与謝野晶子)
・蚊帳のなかに放ちし蛍夕さればおのれ光りて飛びそめにけり(斎藤茂吉)
・垂乳根の母が釣りたる青蚊帳をすがしといねつたるみたれども(長塚節)
・吾子よ吾子よ今朝朝がほの色よきぞ蚊帳をいでこよ絵の具もちこよ(竹内茂登子)
「蚊帳」の俳句
蚊帳は夏の季語です。
俳句は「五・七・五」の17音から成る短詩です。季節を示す言葉=季語を含むのが一般的です。
江戸時代に大流行した俳句は、現在では世界中で詠まれています。
・新しき 蚊屋に寝るなり 江戸の馬(小林一茶)
・むら雨や ほろ蚊帳の子に 風とどく(小林一茶)
・皃(かほ)白き子のうれしさよまくら蚊帳(与謝蕪村)
・夕顔や早く蚊帳つる京の家(与謝蕪村)
・つりそめて水草の香の蚊帳かな(飯田蛇笏)
・侘しさの蚊帳に放つ螢哉(寺田寅彦)
・流れ星蚊帳を刺すかに流れけり(金子兜太)
「かや」だとしっくりこないときは「かちょう」で読んでみてね
「蚊帳」の絵画
蚊帳を吊る浮世絵や日本画も多く描かれています。
多くは江戸時代から昭和にかけての、蚊帳が日常的に使われていた時代に描かれました。
蚊帳は、上村松園の美人画など女性とともによく描かれ、夏の夕暮れ時の涼しさや蚊帳の中で過ごす楽しさ、日本的な情緒を伝えています。
珍しいものでは「幌蚊帳」で赤ちゃんにお乳を飲ませている女性の絵も。
「幌蚊帳(ほろがや)」とは竹や針金などを骨にし、ほろのように作った幼児用の小さな蚊帳のこと。
今の「ワンタッチ蚊帳」「折り畳み蚊帳」に近いですね。
まとめ
以上、蚊帳の歴史や使い方などをご紹介しました。
蚊帳を使って健康的な生活を送りましょう。
日本全国にタナカの蚊帳の良さを広めたい!!
記事を通じて蚊帳のすばらしさをお伝えします。
国内蚊帳生産No.1の「蚊帳通販.com」
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