カメムシとは?意外と奥が深いその正体とその対策

防虫対策

過ごしやすい季節になると、毎年やってくる“臭い訪問者”カメムシ。
洗濯物にくっついていたり、家の中をウロウロしていたり……。そして何より、あの強烈なにおい!

この記事では、
・カメムシの意外な生態
・家庭での実践的な防除・駆除方法
・侵入を防ぐための暮らしの工夫
まで、幅広く・詳しく解説します!

カメムシについて

まずは「カメムシ」という名前について。
この名前は、カメムシが亀の甲羅のような形に由来すると言われています。

カメ

カメ

カメムシ

カメムシ

カメとカメムシ、似てるかな?

見た目は種類によってさまざまですが、共通点は次の通りです。

・ストロー状の口で植物の汁を吸う
・敵に襲われると臭いを出す
多くの種が「臭腺」から防御臭を分泌(後脚の付け根にある)
・平たい体でわずか2mmの隙間からも侵入可能
・暖かい季節に活動し、秋〜冬には家に避難して越冬する

キバラヘリカメムシ

キバラヘリカメムシ

また、「全部臭いわけではない」のもポイント。
中には青リンゴの香りがする種類(ネムノキにいるオオクモヘリカメムシ、マユミにいるキバラヘリカメムシ)もいるんですよ。

だからといって、いろんなカメムシのにおいを嗅いでみてとはいえない

カメムシの仲間たち

アメンボ

アメンボ

カメムシは世界には約40,000種、日本だけでも約1,300種います。

クサギカメムシ、ホソヘリカメムシ、アオクサカメムシなど、住宅に侵入しやすい種類が特に有名です。

アメンボ、タガメ、セミ、アブラムシなども、実はカメムシの仲間です。

住宅に侵入しやすいカメムシランキング

クサギカメムシ

クサギカメムシ

私たちが「カメムシ」と言ってまず思い浮かべるのは、自宅や旅館などで見かけるカメムシでしょう。
日本だけでも約1,300種いるカメムシのうち、どのカメムシが家に侵入してきやすいのでしょうか。

ランク 種類 特徴
🥇 1位 クサギカメムシ 秋に大量侵入&強烈な悪臭!
🥈 2位 ホソヘリカメムシ 小さく細いため、隙間から侵入しやすい
🥉 3位 アオクサカメムシ 比較的においは弱め。草地周辺に多い
4位 ツヤアオカメムシ 果樹被害も多く、鮮やかな緑色が特徴
5位 ミナミアオカメムシ 九州・沖縄で特に注意が必要な種類

クサギカメムシ

クサギカメムシ

クサギカメムシ

まず最も身近なのは「クサギカメムシ」。
秋(9〜11月)に越冬のため窓やすき間から大量侵入し、強い悪臭を放ちます。
「カメムシ騒動」の主役です。

ホソヘリカメムシ

ホソヘリカメムシ

ホソヘリカメムシ

2位にはホソヘリカメムシ。
秋(9〜11月)に家屋侵入。体が細く小さいためすき間に強い。 気付かぬ間に大量発生することもあります。

アオクサカメムシ

アオクサカメムシ

アオクサカメムシ

春〜秋にかけて侵入するが、特に秋に目立つ緑色のカメムシです。
草原・畑の近くで侵入が多い。臭いはやや弱め。

ツヤアオカメムシ

ツヤアオカメムシ

ツヤアオカメムシ

果樹園近くでは秋に侵入例あり。鮮やかな緑色。
果樹被害だけでなく住宅にも来ることがあるので注意。

ミナミアオカメムシ

ミナミアオカメムシ

ミナミアオカメムシ

九州・沖縄地方中心、南紀などにも出没する。温暖地で秋に侵入します。
暖かい地域で注意が必要なカメムシです。

アオクサカメムシなどの見分け方はこちら!

「知ってとくとく  ミナミアオカメムシの生態と防除」(愛知県)https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/320297.pdf

クサギカメムシは不快害虫

クサギカメムシ

クサギカメムシ

カメムシを好きな人はあまりいませんよね。
それどころか、見つけると叫び声をあげたくなるほどキライな人もいるのではないでしょうか。

一般に、人にとって都合のわるい虫を“害虫”と言い表すことができますが、大きく「不快害虫」「衛生害虫」「農業害虫」の3つに分けられます。

私たちに最もなじみのある、茶色くて臭い臭いをまき散らすクサギカメムシは「不快害虫」に分類されます。
不快害虫とは、人間の病気を媒介したりはしないけれど、見た目や大発生などで嫌がられる虫のことです。

苦手な相手だからこそ、対処法を知ってなるべく遠ざけたい……

カメムシの習性

では「住宅に侵入しやすいカメムシランキング第1位」のクサギカメムシを中心に、その性質や対策方法をご紹介します。

まずはカメムシ対策をするために、カメムシについて知りましょう。

敵を知れば百戦危うからず

白い色を好む

カメムシは白い色を好みます。
そのため、洗濯物を外干しするときは白い衣服、リネン類は要注意。

光に集まる

カメムシには光に集まる性質(正の走光性)があります。
そのため、電灯をつけたところにカメムシが集まることも……。

雑草などが住みかになる

カメムシは雑草が住みかになります。
庭の雑草はもちろん、植木鉢なども要注意。
物置の隙間も住みかになりやすいです。

カメムシ対策:今すぐできる7つのポイント

ではカメムシとなるべく出会わないようにするため、次のことを心がけましょう。

草刈り・掃除

まずはカメムシの発生源になる雑草、落ち葉、古い植木鉢の裏を清掃しましょう。
カメムシがタマゴを生む場所がなければ、カメムシに会うこともありません。

アロマ・ハーブの活用

ミント・ローズ・レモングラスなどの匂いが苦手です。
それらの植物を植えるか、香りを拡散しましょう。特に「アロマランプ」や「アロマを染み込ませた紙」を置くのが効果的です。
ハッカ油も効き目があり、網戸や窓に吹きかけておけばカメムシよけになります。

また、唐辛子も苦手なので、唐辛子を庭に植えるのも有効です。

隙間ふさぎ(すき間テープ)

窓のサッシ、エアコンの排水口、換気扇周辺などすべてをチェックしましょう。

カメムシはとても薄いので、わずか2mmの隙間があれば家に侵入できます。
ホームセンターなどで買える隙間テープなどでカメムシの侵入口をふさぎましょう。

白い洗濯物対策

カメムシが出る時期は、洗濯物を干すときは白を内側に、黒など色ものを外側にするのがベターです。もしくは黒いネットで覆うのも良い方法です。
いっそ白い衣服は部屋干しするのも手ですよ。

光対策

照明を紫外線の少ないLEDに交換し、外の明かりも控えめに。
カメムシは紫外線の光に引き寄せられる性質があるためです。
昔ながらの水銀灯は最も紫外線量が多く、カメムシが寄ってきやすいです。

電撃殺虫器を設置

逆に、光に寄ってきやすい性質を利用してカメムシをやっつけてしまうという考え方もできます。

電撃殺虫機を屋外に吊しておけば、光に誘引されて近づいたカメムシを捕獲可能です。

攻撃は最大の防御

蚊帳の活用

寝室やベランダに蚊帳を張るのも有効。
こちらから何もしなければカメムシは「うっとおしい」だけなので、夜のあいだは蚊帳でカメムシのいない空間を作って安眠しましょう。

ただし白色の蚊帳は避けてくださいね。

カメムシの駆除方法

カメムシが部屋に入ってきたときは、次のような方法で駆除しましょう。

・ガムテープでそっと捕獲(強く押し付けると臭いを放つので注意)

・掃除機で吸引し、紙パックを即廃棄

・専用の殺虫剤や凍結スプレーを使う(カメムシを瞬間凍結させ、カメムシが臭い攻撃する前に駆除)

カメムシホイホイ(手作りの捕獲器)も有効だよ

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カメムシを捕まえるときに大事なのはぜったいにつぶさないこと。
つぶすとカメムシの匂いが残ります。

また掃除機で吸い取ったら、カメムシの入ったゴミを袋などに密閉してカメムシが逃げ出さないように注意です。

カメムシに詳しくなってほどよく距離を取ろう

カメムシは「くさい虫」とばかり思われがちですが、その生態はとても奥深く、種類も多彩。
私たちの身近な暮らしに影響を与える存在だからこそ、正しい知識と対策で快適な生活を守りましょう!

一番ぴったりな気持ちを押してね!

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