モスキート音ってなに?聞こえ方の年齢差と蚊帳で守る快適な夏

防虫対策

年齢が上がるにつれて聞こえる音の範囲が狭くなります。モスキート音もそのひとつで、若年層にしか聞こえないとされる音です。

「モスキート」は日本語で「蚊」。
モスキート音と、実際の蚊の羽音について説明しますね。

モスキート音と年齢の関係

「モスキート音(モスキートトーン)」とは、一般的に17kHz前後の高周波音を指します。
名前の由来は「蚊(モスキート)の羽音に似ている」とされたことからです。人間の耳は20Hz〜20kHzの範囲を聞き取れるとされますが、加齢とともに高周波数から聞こえにくくなっていきます。
このため10代や20代では聞こえる人が多くても、30代以降になると「全く聞こえない」という人が増えてきます。これは耳の奥にある有毛細胞の感度が衰える「加齢性難聴」によるものです。

モスキート音の利用例

この「年齢によって聞こえる・聞こえない」が分かれる特性を利用し、モスキート音は以下のように活用されています。

  • 防犯・治安維持: 商業施設や公園で若者のたむろ防止に利用
  • 娯楽: 「何歳まで聞こえる?」という簡易年齢チェックやゲーム
  • 教育: 自由研究や授業で「聴力と年齢」の関係を学ぶ教材

音で行動を制限できるの、すごい

実際の蚊の羽音の周波数

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一方で、実際の蚊の羽音は数百Hzの低い音域にあります。
例えば、雌の蚊はおよそ400Hz、雄の蚊は600Hz前後の羽ばたき音を発するとされます。
つまり、モスキート音(17kHz前後)と蚊の羽音は全く異なる周波数帯にあるのです。

モスキート音と蚊の羽音の比較表

音の種類 周波数帯 特徴
モスキート音 約17kHz(17,000Hz)前後 若者には聞こえるが、30代以降は聞こえにくくなる高周波音
蚊の羽音(雌) 約400Hz 耳元で「プーン」と聞こえる低めの羽ばたき音
蚊の羽音(雄) 約600Hz 雌よりやや高い羽音。求愛行動では倍音が重なることもある

蚊の羽音(約400Hz~600Hz)は、人間の耳に一番良く聞こえる周波数帯域です。そのため、小さな羽音でも人間は敏感に「プ~ン」という音を拾ってしまいます。

一方、モスキート音は実際の蚊の羽音とはかなり離れた高い音域で、聞こえる人が少ないのです。

モスキート音と蚊の羽音とはまったくの別物なんだね

実は蚊の羽音も聞こえにくくなる?

高周波だけでなく、年齢とともに音全体の聞き取り能力も少しずつ低下していきます。
若い頃は耳元で「プーン」と飛ぶ蚊にすぐ気づけても、年齢を重ねると気づかずに刺されてしまうことも増えてきます。これは聴覚の衰えにより、蚊の羽音を以前ほど鮮明に感じ取れなくなるためです。

年齢とともに耳が聞こえにくくなるのは仕方ない

音に頼れない世代の蚊対策

モスキート音が聞こえなくなるのと同じように、蚊の羽音にも気づきにくくなった世代は、「気づいたときにはすでに刺されていた」というリスクが高まります。
そんなときに役立つのが、昔ながらの蚊帳(かや)です。

蚊帳なら、蚊の羽音が聞こえなくても蚊の侵入を防ぐことができます。
蚊取り線香などが苦手な方や、赤ちゃんや高齢者、ペットのいるご家庭でも安心して使えるのが魅力です。

蚊はモスキート音を出していない

モスキート音は「年齢によって聞こえる・聞こえない」という特性を持つ高周波音で、防犯や教育に利用されています。
一方で、実際の蚊の羽音は400〜600Hz程度の低周波であり、モスキート音とは全く別物です。
しかし「年齢とともに蚊の羽音に気づきにくくなる」という現象は現実に存在します。
そのため、耳に頼らず確実に蚊を防ぐには、やはり蚊帳が最もシンプルで安心な方法です。
夏の夜を快適に過ごすために、ぜひ蚊帳を取り入れてみてください。

一番ぴったりな気持ちを押してね!

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